今回は「たけとり家」で試みた使い捨てマスクの洗浄をご紹介します。
新型コロナウイルスの影響で「たけとり家」のマスク在庫も底をつきそうです。本来、使い捨てマスクは1回使ったら捨てるものです。しかし、いまの状況ではひとまず、洗って再利用するしかありません。
洗濯機で洗ったり、炊飯器で洗浄したり再生のためにいろいろな方法を試されているようですが使い捨てマスクの素材の多くはポリプロピレン製の不織布です。
洗濯機で洗うと不織布のフィルター性能が変化するという話も聞きますし、ポリプロピレン製の不織布の耐熱温度は100℃がいいところです。炊飯器の調理温度は100℃以上になるので適しているとは考えられません。
そこで家庭のキッチンにある洗剤等を利用して行ったマスクの再利用法をご紹介します。
それではご紹介スタートです。
【使い捨てマスク洗浄の材料】
水道水 | 4L |
塩素系漂白剤 | 40ml |
中性洗剤(食器洗い用洗剤) | 40g |
使う材料の「塩素系漂白剤」と「中性洗剤」ついて使用する理由を解説します。
塩素系漂白剤
「塩素系漂白剤」は通常、キッチンの除菌や清掃に使用されるものです。主成分の次亜塩素酸ナトリウムはエンベロープウイルスの一種である新型コロナウイルスを不活化する効果があります。
エンベロープウイルスとはウイルスの外側にタンパク質の殻をもったウイルスの総称です。次亜塩素酸ナトリウムから発生する成分がこの外側の殻を攻撃し、ウイルスの感染能を失わせます。
新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項(日本環境感染学会とりまとめ)
厚生労働省
ご覧の通り、厚生労働省の対策サイトでも使用が推奨されている家庭用消毒剤です。
中性洗剤(食器洗い用洗剤)
中性洗剤は使い捨てマスクの素材である不織布の繊維の隅々まで次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)の溶液がしみ込みやすくするために使用します。ポリプロピレン製の不織布は水に馴染みにくい性質を持っているのでそのなかだちをするために必要なのです。
使い捨てマスクの再生方法
洗浄方法はとても簡単です。洗浄液を作って浸け置き洗いをするだけです。つけ置き時間は1時間にしました。使い捨てマスクの隅々まで塩素系漂白剤が染みこむ時間を考え長めに漬け込んでいます。
洗浄液を作る
水道水4Lをはかりとり、塩素系漂白剤を40ml加えます。塩素系漂白剤のフタがだいたい30mlみたいなので、1と1/3ハイです。
次に中性洗剤(食器洗い用洗剤)を加えます。
計り取るときはキッチンスケールを用いて減量法で行いました。「たけとり家」ではタニタのキッチンスケールを用いています。計量が素早くおすすめです。加える量は40gです。
使用しているキッチンスケールは古いもので1g単位での計量ですが、最新のタイプは0.1g単位になっているみたいです。
成分に偏りがないようにプラスチックのヘラなどで混ぜます。直接手で触ると手荒れの原因となるので注意しましょう。
また、あまりないとおもいますが酸性の食器洗い用洗剤は塩素ガス発生の原因となりますので厳禁です。
使用済みマスクを入れつけ置きする
作った洗浄液に使用済みマスクを入れよくなじませます。その後、1時間つけ置きします。
1時間つけ置き後です。大きな変化はありませんが、ウイルスが万が一存在しても不活化は出来ているはずです。
マスクをすすぐ
たっぷりの水でよくすすぎます。水道水で10回ほどすすぎました。
マスクを干す
洗ったマスクは室内で干しました。半日ほどでしっかり乾いている様子でした。
変な臭いや繊維の毛羽立ちもなく、消毒・洗浄できました。強い力や高温を避けたのでフィルターの性能が変わっていることもないはずです。
まとめ
- 使い捨てマスクの再生方法を試してみました。ただ、使用する洗剤やマスク等は本来の使い方とは異なる使い方をします。今回の方法を試す場合は自己責任で実施してください。
- 使う洗剤などはいまでも入手が簡単なものばかりです。
- 色がついているマスクは変色したり、退色したりすることがあるので注意してください。
- 今回の方法は布製のマスクにも適用できますが、柄や色のついたものは変色したり、退色したりする可能性がありますのでこちらも注意してください。
- 洗剤や塩素系漂白剤を扱うときは目に入らないように十分注意し、適切な保護具を使用してください。