この頃スーパーでたけのこを目にするようになりました。この季節ならではのたけのこをたけのこご飯や煮物にしてぜひ食べたいものです。加工食品の水煮では味わえない旬の香りを味わい春を満喫しましょう。
たけのこの里出身の「ほたて」は春になり、たけのこを八百屋さんやスーパーの店先で見かけるとワクワクしてきます。地元ではたけのこ農家さんが自宅の竹やぶでとれたたけのこをそのままで売っていたり、水煮にして売っていたり春本番を伝える風物詩になっています。
地元を離れてスーパーや八百屋さんで見かけるたけのこの中には固くてアクが強うそうなたけのこが並んでいることもあります。そんな店先のたけのこの中から美味しそうなものを見分けるコツをご紹介します。
それではご紹介スタート!
美味しいたけのこの見分け方
たけのこは鮮度が命です。朝採れたたけのこをその日のうちに下処理の水煮をしてしまうのが一番です。可能であればご近所の野菜直売所などでその日のうちに採れたたけのこを購入し、一度食べてみてください。水煮になって販売されているたけのことは風味が格段に違うたけのこが味わえます。
一部のサイトやテレビなどではたけのこの種類に「シロコ」と「クロコ」などがあり、それが雌雄からくる違いであるなどというデタラメが記載や放送がありますが、そんなことは全くありません。たけのこに雌雄の違いはありませんし、たけのこの見た目が変わる原因は日光に晒されたか否かの違いと、たけのこを生産する竹やぶの土壌が酸性かアルカリ性かによるものです。
一般に「シロコ」と言われるたけのこの特徴は全体的に白っぽく、一番てっぺんの芽の部分が緑色ではなく、黄色がかっているものです。また「クロコ」と言われるたけのこの特徴は全体に黒っぽく、一番てっぺんの芽の部分が緑色になっているものです。また、アルカリ性の土壌で生産されたたけのこのほうが一般的に黒っぽくなります。
たけのこは一番てっぺんの部分が地表に出ると一気に成長が早まります。そのため地表に出た途端一気に地中の水分を吸収し身も成長が進み、組織がしっかりして身も固くなります。これがいわゆる「クロコ」といわれるたけのこの状態です。またアクの原因物質の一つであるシュウ酸はたけのこの成長に伴って生じていきます。一方地表からてっぺんが出る前は身も柔らかく、水分も必要以上に吸収していないので成長にともなって発生するアクも少なめです。
ちなみに京都のたけのこが美味しく、柔らかく、アクが少なくて珍重されるのには理由があります。京都のたけのこを生産している地域の大部分は酸性土壌なためたけのこの身に貯めこむアクの素となる成分が少ないのです。また、日光に当たる前の出荷を徹底しているからです。
以上をふまえてスーパーや八百屋さんで並んでいるたけのこの中から美味しく、柔らかいたけのこを見分けるコツは3つです。
- 大きさにこだわらない 大きいのは避けたほうが無難
- てっぺんの穂先部分が一番緑味が少ないものを選ぶ
- 根元の部分が一番黒ずんでないものを選ぶ
実際に写真などを交えて選ぶポイントを確認していきましょう!
【たけのこ】大きさにこだわらない 大きいのは避けたほうが無難【見分け方】
たけのこは成長が早くてっぺんの穂先が地表に出てからは一日で数十cm程成長することもあります。「雨後の筍」という言葉があるくらいです。皆さんが手に取って、生命の息吹を感じているたけのこは水分をたくさん吸って地表に頭を出し身が固くなりかけたちょっと収穫のタイミングを逃したたけのこかもしれません。
大きい身体を支えるためには身の組織もしっかりとしてなければなりません。身のしっかりしているたけのこ→硬いたけのこだと思ってください。店先に並んでいるたけのこの中で大きめなものは避けたほうが無難です。
【たけのこ】てっぺんの穂先部分が一番緑味が少ないものを選ぶ【見分け方】
芽の部分(穂先)が黄色味でなるべく青味が少ないたけのこを並んでいる中から選びましょう。
芽の部分(穂先)が緑色のものはその部分が地表から出てしまった証拠です。日光に当たると一気に光合成を開始し、緑色に変化します。もうすでに、たけのこは水分吸収モードに入りアクの原因となる水分をたっぷりと吸収し始めています。
たけのこはてっぺんが地表から出る前に収穫するのが理想的です。たけのこは地表のなかで育っていくと、地面を押し上げます。そのとき地表に十字の割れ目ができるそうです。たけのこ農家さんのおじいちゃんおばあちゃんたちはこの割れ目を巧みに探しだし、たけのこを掘り出します。
たけのこ農家さんも生活があるのでしょう。また、大きくなったたけのこのほうが重量があります。ちょこっと地面から頭を出したたけのこも収穫して出荷してしまうのだと思います。我々は美味しいたけのこだけいただきましょう。
【たけのこ】根元の部分が一番黒ずんでないものを選ぶ【見分け方】
根本の色はたけのこの育った土壌の影響に作用されます。同じ竹やぶの中でも微妙に土壌の中の様子が違うようで、根本が黒いたけのこは力強くアクも強くなりがちなようです。たけのこには育ちやすい環境で育って、植物としては大きくなりがちな立派な個体かもしれませんが、私たちが食べるにはちょっと硬すぎます。
私たちにはひ弱なナヨナヨしたタケノコのほうが美味しく食べられるのです。上の写真を見ると左側の写真のたけのこのほうが美味しそうに見えます。右側も穂先が緑なわけはないので日に当たってしまったわけではないのですが根本が少し黒ずんで全体的にも色が強い感じです。まだこれくらいならしっかりアク抜きすれば美味しく食べられますが、左側に比べるとアクが強い傾向になります。
今回購入したたけのこは「たけのこおこわ」と「チンジャオロースー」にして美味しくいただきました
今回購入したたけのこは米ぬかと一緒に水煮をして、アク抜きをして「たけのこおこわ」と「チンジャオロースー」にしていただきました。たけのこのアク抜きについての詳しい方法は別のブログにまとめてありますのでよかったらご覧になってください。
ご家庭でアク抜きしたたけのこは食料品店で売っているたけのこの水煮と同じように使えますので、様々なたけのこ料理にご使用ください。
参考ブログはこちら:たけのこ下処理の巻
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まとめ
- お店で売っている「たけのこ」の美味しい見分け方をご紹介しました。ご紹介した美味しいたけのこを竹やぶで収穫するのは至難の業です。まだ地面に顔を出す前のたけのこを探すのですが、十字に地面が割れているところがたけのこがある証だそうです。広い竹やぶの中で遠目にみて探し当てるたけのこ農家さんの目利きの力は驚きです。一子相伝の技があるのではないかと思ってしまいますが、本人に言わせれば「毎年眺めてればわかる」だそうです。
- たけのこは和食にも中華料理にも使える食材ですが、最近、一番味の違いがわかるのがチンジャオロースーではないかと思っています。とれたての新鮮なたけのこでチンジャオロースーを作ると中華料理の力強い味付けにも負けないたけのこの香りが感じられます。
- たけのこはご家庭で水煮をすると早く痛みやすい食材です。水煮にしたら2〜3日のうちに召し上がってください。