ZENBヌードルという黄えんどう豆100パーセントを原料とするパスタのご紹介です。
パスタは小麦粉を主原料とすることが一般的ですが、最近では小麦のタンパク質、グルテンにアレルギー症状が出てしまう人を中心とした人々を対象に小麦を原料としないパンや麺が発売されています。ZENBヌードルも代替原料の黃えんどう豆を使用したパスタです。
今回ZENBヌードルをご紹介しようと思ったのは代替原料を使っているということを抜きにしてもパスタとしてとびきり美味しい食材だからです。
ZENBヌードルが一般的な食材となり、購入しやすい価格になればグルテンアレルギーなどに苦しむ人のための間接的な支援になるかなと思っています。
ZENBヌードルとは?
ZENBヌードルとはお酢で有名なミツカンのグループ会社のZENBジャパンが販売する乾麺です。原材料は黃えんどう豆100%となっておりパスタの代替として食べたり、和食アレンジで食べたりします。
私達がよく口にする麺類の原料は米粉を原料とするビーフンやフォー、蕎麦粉を原料とする蕎麦の他はほとんど小麦粉を原料としています。うどんはもちろんのこと、ラーメンやパスタなどの原料は小麦粉です。なぜ黄エンドウ豆を原料とするZENBヌードルが作られているのでしょうか?
近年、小麦に含まれるタンパク質、グルテンに対するアレルギーや不耐症/過敏症の方たち向けのメニューを提供する食品メーカーやレストランなどが欧米を中心に増えてきています。小麦に対する代替原料の一つとして黃えんどう豆が採用されたのです。
我々、日本にルーツを持つ人は小麦の代替原料として頭に浮かぶのが米粉です。実際に米粉パスタや米粉うどんなどが日本では一般的です。そこをなんであえて黃えんどう豆なのでしょうか。次は黄エンドウ豆についてすこし説明します。
黃えんどう豆とは?
黄えんどう豆とはえんどう豆の一種です。東アジアや太平洋地域以外では一般的な食材のようです。私達がよく目にするえんどう豆の種類といえばさやえんどうやグリンピースにスナップエンドウが一般的です。えんどう豆は英語でpeaといい、グリンピースはgreen peasです。
海外では乾燥したえんどう豆をsplit peaと呼びます。これは乾燥後に機械などで皮などを除去する際に豆が半分に割れ(split)、半球状になっているためだと考えられます。split peasには一般的にgreen split peaとyellow split peaの2種類があります。green split peaはまさにグリンピースを乾燥させたもの、yellow split peaはZENBヌードルの原料になっている黃えんどう豆です。
ZENBヌードルはこの黄えんどう豆の中身のみになったyellow split peaを原料とせず、名前の通り豆の皮も全部原料としてパスタ化した食材です。おそばで言えば殻ごと打った黒っぽい田舎ソバといったところでしょうか。
この黃えんどう豆は東アジアと太平洋地域以外の世界中で食べられており、スープの材料としてポピュラーです。例えば南アジアではダルと呼ばれるスープやカレー、イランでは煮込み料理などの食材として多用されています。
そんな黃えんどう豆をパスタの小麦粉代替原料としてチョイスするのは地域によっては日本で米粉を小麦粉の代わりに用いることのようにしっくりといく事柄なのではないでしょうか。
グルテンフリー食材とは
小麦粉に含まれているタンパク質をグルテンと言います。パンや麺類にしたときにもっちりとした食感をのもとになる物質です。
小麦粉アレルギーの多くはこのグルテンが原因です。他にもグルテンが腸内の組織を破壊してしまうセリアック病などがあり、その対応として患者さんたちはグルテンフリーの食事を実践しています。
また病気という状況に至らなくとも小麦由来のメニューを食べると体調が悪くなったり、いわゆる身体のキレが優れなくなったりと感じている方たちもいます。彼らの一部もまたグルテンフリーの食生活を実践しています。
患者さんや不耐性の方たちのニーズもありグルテンフリー食材は私たちにとって大きな存在です。今回ご紹介するZENBヌードルも代替原料使用食材の一つなのですが、他の食材と違ってとても美味しいのが大きなポイントとなっています。
今までのグルテンフリー食材は代替食であって、小麦粉を使ったパスタなどにどれだけ近づけるかという視点で作られていたのではないでしょうか。ZENBヌードルは普通のパスタよりも美味しい新食感食材です。
ZENBヌードルが広く皆さんのお手元に届くようになれば製造コストも下がり購入しやすい価格になっていきます。美味しいものを食べて、みんなに勧めて、体質によりグルテンフリーを余儀なくされている方を間接的に支援するのが今回の主旨となっています。
ZENBヌードルの食べ方&調理方法
ZENBヌードルの調理方法はとても簡単!麺を茹でるお湯に塩を加える必要もなく、パスタより簡単です。
ちなみにZENBヌードルを茹でたお湯もいい出汁が出ており、野菜や肉などを煮込み塩コショウで味を整えれば美味しいスープになります。
ZENBヌードルを茹でる
ゆで方は袋に書いてあるとおり、ZENBヌードル一束あたり約600mlの沸騰したお湯で6分ほど茹でます。
ゆでている途中は普通のゆで汁より濁りが強いような気がします。麺の太さはおそらく1.7mm程度なので小麦粉のパスタよりも若干短めです。あとは美味しそうな普通のパスタの見た目。ちなみに、ゆでるときに塩は加えませんでした。
パスタソースは自家製のキノコと挽き肉のクリームソースにしました。作り置きして冷凍してあったやつです。
解凍してフライパンで温め、湯切りしたZENBヌードルを絡めれば完成です!
美味しいソースなので後日作り方を御紹介したいと思います。
ZENBヌードルの茹で汁でスープを作る
ZENBヌードルはちょっとしたおまけが楽しめます。ゆで汁がスープに変身するのです。黄えんどう豆はアミノ酸やタンパク質の塊らしく、ゆで汁も美味しく召し上がれます。蕎麦湯みたいな感覚でしょうか。
今回はシンプルにピーマンとたまごを入れたスープにしました。味付けはシンプルに塩コショウです。ZENBヌードルを茹でている時にも変な匂いや青臭さはありません。ほのかに豆系のいい匂いがします。ゆで汁をスープにしてもおいしそうです。
ZENBヌードルとゆで汁から作ったスープ
さてZENBヌードルを食べてみましょう!ちょうど生パスタのような食感です。柔らかいのだけれど、歯ごたえもしっかりある感じです。
豆臭さや青臭さは皆無です。最後の最後にえんどう豆の香りがするような気がしますが、嫌な感じではありません。言われないと生パスタを食べていると勘違いするはずです。
味もお豆の旨味がかすかに感じられます。あっさりしたパスタよりもカルボナーラやトマトソース系のパンチの強いソースが合うと思います。ミートソースもチャレンジしましたが、相性抜群です。
まとめ
- 小麦粉の代替原料として黄えんどう豆を使用するパスタ、ZENBヌードルをご紹介しました。ZENBヌードルは小麦代替原料を使用していますが、同じ製造ラインで特定原材料7品目のうち小麦を含む食品を加工しているようです。小麦アレルギーやセリアック病の方が食べる際は専門家の助言のもと正しく取り扱ってください。
- ZENBヌードルの生産量が増えれば、メーカーも専用ライン/工場化でグルテンフリー食材の認証取得も検討してくれる可能性が高くなるのではないでしょうか?アレルギーやそのほかの疾患に苦しむ方たちが少しでも豊かな食生活を送れるようになることを「たけとりはうす」は応援しています。
- ZENBヌードルは今まで食べた代替食材の中で随一の美味しさでした!小麦粉を使用したパスタに比べカロリーも低めで、食物繊維が豊富です。ダイエットにも検討してみてはいかがでしょうか?